この物語の主人公・松尾芭蕉は地理的な意味での旅人であると同時に、 時空を越えた時間旅行者として舞台に登場する。 夏目漱石の弟子である物理学者・寺田寅彦もまた、 偶然に作ってしまった時間旅行装置を使って、時空を超えた文学の旅に出る。 舞台上で、そして客席をも巻きこんで交錯する時空の旅──。 |
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現代朗読公演「おくのほそ道異聞」について(一部) ゴッホの「ひまわり」の絵を見るとき、私たちはそこにひまわりという物の形ではなく、ゴッホがひまわりを描くことで伝えようとした「なにか」を見ます。 それと同様に、私たちは今回の公演で、よく知られたテキストを使うことで、これまでにない「なにか」あたらしい朗読表現を作ろうと試みています。 テキストは、ときに交錯し、覆われ、絡まりあい、途切れてしまいます。文章の筋を捉えようとする聞き手は混乱してしまうでしょう。 この公演は、いわゆる「朗読」でイメージされる構図や既成概念をいったん解体し、朗読という「表現行為」を再発見することで、朗読のあらたな可能性を再構築しようという試みなのです。 みなさんが既成の固定観念にしばられることなく、気持ちをひらいて私たちとおなじ時間をすごしてくれることを、私たちは願ってやみません。 ——水城 雄(脚本・演出) ※当日配布の公演パンフレットより抜粋 □■本公演で用いられているテキスト■□ 松尾芭蕉 「奥の細道」/夏目漱石 「吾輩は猫である」/夏目漱石 「草枕」/夏目漱石 「三四郎」/森 鴎外 「舞姫」/芥川龍之介「蜘蛛の糸」/太宰 治 「人間失格」/北原白秋 「時は逝く」/水城 雄 「あめのうみ」/鴨 長明 「方丈記」/清少納言 「枕 草子」/作者不詳 「伊勢物語」/作者不詳 「平家物語」 |
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公演データ |
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日時 |
2006年3月29日(水)14時/19時開演 (昼夜2回公演・開場は30分前) |
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場所 |
麻布区民センター (六本木駅下車徒歩6分) |
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出演 |
榊原忠美(劇団クセックACT) 岩崎さとこ 水谷友子 森川 凛 窪田涼子 渡部龍朗 春日 玲 島田洋子 林 恭子 斉藤亜実 田奈布すず 本田ゆり 加藤美穂子 大沼 竣 高瀬 藍 |
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演奏 |
水城 雄 (ピアノ) ウォルフィー佐野 (アルトサックス他) 伊藤さやか (ヴォーカル) うらら (キーボード/PCオペレーション) るしむらかみ (ガムラン) |
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脚本/演出 振付 照明/舞台 音響 制作 協力 |
水城 雄 島田洋子 杪谷直仁 久坂真生 村井 麗 アイ文庫(西東万里) |
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