現代朗読基礎コースが始まった

全10回シリーズの現代朗読基礎コースが、昨日からスタートした。
土曜日の午前10時半から2時間、12月に最終となる約3か月で、現代朗読の基礎を網羅しようというプログラムだ。

初回の昨日は現代朗読と従来朗読の違い、日本における朗読の歴史、表現アートの歴史とコンテンポラリーアートの成立過程、コンテンポラリーアートと伝統的表現の違い、現代朗読がめざすものなどについて、系統的に解説をこころみた。
現代朗読は「放送技術」に辺倒せず、情報伝達ではなく、自分自身を表現し人に伝える手段として朗読行為をとらえている。
そのために表現の原理を朗読行為にあてはめてかんがえ、さらに各自のオリジナリティを保証する手段として身体性にたいする意識を緻密に高めていくことをする。

このために、いろいろなエチュードが用意されている。
エチュードをやりながら、自分の身体と呼吸と声を感受し、それらが連動して働く意識を持つ。
この目的は、表現を「あらかじめ準備され、たくらみや思いこみで作られた」ものではなく、「いまここ」の自分の身体とこころに正直に誠実に沿うことで、まっすぐにオーディエンスにとどきコミュニケートできるものにすることにある。
このことはまた、自分自身に深くアクセスすることでもあり、朗読の練習をする過程で普段の生活も大きく変わったり、日常の風景がちがって見えたりする。

昨日は最初のガイダンスやお互いの紹介、朗読表現の歴史や現代朗読の考え方の確認などに時間がかかったので、エチュードの時間は短めになった。
呼吸法、ハミング発声と身体の震動の確認、体認のエチュードをふたつだけ。
これらはどれも大切な基礎エチュードなので、毎回かならずやることになるだろうし、参加者には家でも毎日やってもらいたいとリクエストしておいた。

基礎コースは10回あり、定員にすこし余裕があるので、昨日の初回に参加できなかった人も2回め以降から参加可能です。
初回の記録音声や映像もありますので、どうぞ。
詳細と申し込みはこちら

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