げろきょ徳島ツアーレポート(初日)


2012年7月15日。
現代朗読協会は徳島市での特別ワークショップをおこなうべく、東京から徳島に向かった。

午前8時すぎ、羽田空港集合。
メンバーは野々宮卯妙、なお、そしてきゃたおかだが、きゃたおかさんは一便先に徳島入りしている。

いざ3人でANA便に乗りこみ、徳島に向かうも、旅情もなにもなく、ひと眠りどころかサービスされた飲み物をあわただしく飲んだらもう徳島空港に向けて降下を始めていた。
近い、近すぎる。

空港ではロビーに先着していたきゃたおかさんと、徳島のげろきょメンバーのたるとさんが出迎えてくれた。
たるとさんとはもう3、4年くらいの付き合いになるのだが、ネット経由ではなく実際に生身で会うのはなんとこれが初めて。
もちろん、初めて会った気はしないのだが。

たるとさんのご主人が車を出してくれていて、ご主人の運転で徳島市内へと向かう。
広々とした海の風景、川、なだらかな山と緑、そして芋畑、蓮畑、梨園などの風景がとても気持ちいい。
住宅も密集していなくて、落ち着いた雰囲気だ。
いっそここに住みたい、と思えるほど、私の肌に合う感じを受けた。

私もなおさんもきゃたおかさんも、初徳島だ。
たるとさんが気をきかせて、観光地へと案内してくれた。
四国お遍路の一番札所のお寺だ。
立派なお寺で、お遍路さんや観光客がたくさんいた。
境内をめぐり、お土産物屋などをのぞく。
なにもかも初めて見るものばかりで、おもしろかった。

ちょうど昼の時間が近づいてきたので、うどんを食べに行くことになった。
うどんで有名な讃岐は阿波の隣なので、阿波にもおいしいうどん屋があるそうだ。
しかし、地元の人でなければなかなかなそういう情報は得にくい。
案内してもらったのは〈丸池製麺〉という、地元の人が来る、ちょっとディープな感じのうどん屋だった。

讃岐うどんは最近、東京でもいろいろ食べさせるところができていて、私もいくらか食べている。
しかし、本場で食べるうどんには驚いた。
東京のうどん屋には、
「ここがあればもう讃岐まで行かなくていい」
みたいなことをうたっている本格讃岐うどんと称する店が多いが、残念ながらそんなことはない。
やはり讃岐や阿波まで来なければ、この味はない。

うどんは基本的に柔らかい。
柔らかいうどんを敬遠する自称「通」がいるが、そういう人はおいしいやわらかうどんを食べたことがないのだろう。
実際に食べてみると、やたら珍重される「コシがある」という形容ではなく、あえていえば「もちもちしている」という形容があてはまる。
とにかくうまい。
食感も味も香りも絶品だ。
釜揚げしたものをすだちと醤油だけでいただくのがもっともよい。
次に、玉子と醤油をかき混ぜていただくのもよい。
とにかくあっという間にふた玉、いただきました。
ごちそうさま!

徳島市内は川が多い。
橋がたくさんかかっていて、その風景も気持ちいい。
海べりまでわざわざ遠回りしてあたらしい大きな橋を渡ってくれたり、眉山をぐるりと回ってながめたりしながら、市街地へ。

ワークショップ会場の〈仏壇のもり〉に到着。
大きな仏壇屋で、フロアの上階を文化的な行事のために無料で開放している、非常に太っ腹な店だ。
こういういわば「旦那衆」が地方文化を支えているのだが、このような伝統は日本のあちこちからなくなりつつある。

会場は会議などにも使える広いフロアで、椅子を楕円形に配置してもらって準備。
たるとさんと組んで朗読と音楽のコラボをおこなっているギターの福井さんが、音響装置の準備をしてくれていた。
私はこの日、夏風邪で喉をやられて朝から声が出なかったのだ。
朝、起きて、どうしようかと思ったのだが、なおさんが持ってきてくれた「特効薬」の発酵飲料がとても効いたのと、うどんで元気になって、会場に着くころにはだいぶ回復していた。
それでも大きな声で話しつづけるのはつらく、福井さんがマイクを用意してくれて大変助かった。

午後1時から現代朗読特別ワークショップ徳島編がスタート。
参加者は20名くらい。
まったく朗読の経験がない人もいれば、長く朗読をやっていた人もいるし、芝居や音楽をやっている人もいる。
経験度はまちまちだ。
しかしいずれにしても、現代朗読という考えに触れるのはどの人も初めてのようで、ワークが進めにつれ新鮮な反応が返ってきて、私も大変やりがいがあった。

途中の休憩では、参加者の方がわざわざ作ってきてくれた「そば米汁」という徳島の家庭料理をみんなでいただく。
初めていただくものだったが、大変おいしうございました。

現代朗読についての講義、そしてエチュード、呼吸法や発声、そして最後は4つのグループに分かれてもらって実際に群読作品を自分たちで工夫して作ってもらい、発表してもらった。

全グループがおなじ作品「羅生門」の冒頭を使ったのだが、それぞれまったく違う表現にしあがっていて楽しかった。
そして参加者の皆さんもそれぞれ楽しんでくれたようだった。
最後にひとりひとりのお声を聴かせていただいて、私はこの上ない幸せな気分を味わっていた。

徳島の人たちはオープンで、ものおじせず、反応もよく、自由な表現を楽しむ柔軟なマインドを持っておられるようだった。
これを機に、現代朗読の自由で柔軟な活動が始まってくれると、私としては最高のよろこびだ。

午後4時半くらいに修了。
後片付けをしてから、夕食に連れていってもらった店ではおいしいお刺身をいただく。
とくにハモと、ヨコと呼ばれるマグロの小ぶりのやつの刺身が、徳島ではおすすめだった。

夜は、ワークショップにもマスターとママと息子さんの3人が参加してくれた〈豆の木〉というカフェに行き、朗読ライブを楽しむ。
ここではたるとさんが月に1回くらい、朗読と音楽のライブをやっていて、少しずつ自由で気楽な朗読の輪が広がりつつあるとのこと。
この場を中心に現代朗読の輪も広がっていってくれるとうれしいな。

京都や赤穂(以前東京の講座にも参加してくれたさくらさん)から来られた方も地元の人たちに加わって、自由な朗読ライブパーティーとなる。
私はキーボードを弾かせてもらった。
いろいろな朗読が飛びだし、楽しかった。
そして念願の、たるとさんを交えたげろきょメンバーとの朗読パフォーマンス。
これをやるために私はここに来たといってもいいほどだ。
本当に実現できてうれしかった。

午後9時半くらいに解散。
またたるとさん夫妻に車でホテルまで送ってもらって、徳島の初日は終わったのだった。
(2日めにつづく/演出・水城ゆう)

深川そら庵での「TaikanWorks+現代朗読協会 共同ワークショップ」

2チームに分かれて作戦会議

まずはAチームのお披露目。完全フリーロードク。

 次のBチームはアルゴリズムロードクに挑戦。

水城さんも一緒に演奏したい!というのでさっそく再演。
Aチーム、ラストはこんな感じ。朗読をしていたとは思えない光景。

Bチームはアルゴリズムだけに即興での音楽との兼ね合いは難しそう。

打ち上げ中、足もみされながらiPhoneで芥川龍之介「羅生門」をロードク。
しまいにはあられもない姿になりました……


—————当ワークショップ&ライブのご案内は以下でした—————

現代朗読協会、ついに深川進出!

TaikanWorks+現代朗読協会 共同ワークショップ


「体の掃除→楽な呼吸と発声→現代朗読」

2012年4月21日(土)

1部:taikanworksWS 13:00~15:00
2部:現代朗読WS 15:30~17:30
懇親会:18:00~20:00(現代朗読ライブパフォーマンスあり)

★お申し込みはここをクリック★ 

場所

東京都江東区常盤1-1-1
TEL: 050-3414-7591

syunsyun.BMP

料金
1部 「TaikanworksWS」2000円
2部    「現代朗読WS」2000円
1,2部通し券 3500円
※全て1ドリンク付き
※懇親会参加のみの方は要1オーダー

定員
各20名

■概要■ 
「セルフ足もみ」で体の張り・固さを取り除いて楽な呼吸が出来る体を作り
「呼吸・発声法」で呼吸を深くし、楽に声を出せるようにして、
「現代朗読」で型にとらわれない自由な朗読表現を楽しむ、特別企画

■TaikanworksWS■ 
「深い呼吸と、楽な発声のための、セルフ足もみ&呼吸・発声ワークショップ」

■現代朗読WS■ 
参加者に朗読台本をお渡しし、げろきょゼミ生といっしょに朗読パフォーマンスを作り上げ、最後にライブ発表するというもの。これには徳久ウイリアムも加わり、スリリングなものになるでしょう。冒頭にミニライブも予定しています。

ウイリアム&珠央ペアと、げろきょゼミ生。魅力的な面々があなたをお迎えし、ライブに巻きこみます。
◆◇◆ ◇◆◇ ◆◇◆

朗読会「槐多朗読」レポート

2011年11月28日夜。明大前キッド・アイラック・ホール地下のブックカフェ〈槐多〉で、朗読会「槐多朗読」がおこなわれました。
ここはホールのオーナーのこだわりの蔵書が興味深いブックカフェで、天井が高く、村山槐多の絵も飾られていて、とてもおもしろい空間です。
客席は20席。カウンター席とテーブル席があります。そのうち2席を私が演奏機材のためにつぶしたので、定員18名。
1か月くらい前に告知を始めたときは、お客さんが全然集まらずどうなることかと心配だったんですが、最終的には満席となりました。それどころか、予約をいただいてなかった人が3名くらいいらして、臨時の椅子を出したりしてかなりぎゅうぎゅうな感じのなかでライブがスタートしました。

参加費がワンドリンク付きという設定だったので、ドリンクサービスが開始時間までに間に合わず、半分くらいの方はドリンクなしでスタートすることになりました。なので、中間のトークのときに、たっぷり時間をとって、全員にドリンクが行き渡るのを待ちました。しゃべることがなくなって困ったけれど。
次にやるときは、ドリンクサービスの時間を入れこんだプログラムを作っておくといいかもしれません。

前半は村山槐多の童話というか、奇妙な短編5連作を集めた「五つの童話」というテキスト。
朗読の野々宮卯妙は入口の正反対の一番奥の本棚前に陣取ってます。私は入口脇の、カウンターの一番手前の部分にキーボードを置いて立ってます。
ピアノがないので、楽器は持ちこみました。いつものKORGの61鍵のシンセと、MacBookAir、ミキサー、そしてBOSSのモバイルスピーカー。ひとりで持っていくにはけっこうな荷物です。これを羽根木から明大前までえっちらおっちら歩いて運んだのはかなりきつかったんですが、それよりきつかったのは、入り時間が開演40分前というあまり余裕がない時間になってしまったことです。
行ったらいつもの早川さんが不在で、初対面の海野さんが対応してくれました。コンセントはどこだ、スピーカーはどこに置いたらいい? キーボードはカウンターの上に置いてもいい? ならんでいた瓶類を片付けてもらったり、使わないケースや鞄を片付けたりしていたら、もうお客さんが来てしまいました。開演まで30分を切っていました。
初めての場所では音響がわからないのと、ピアノではなく電子楽器オンリーだったので、じっくりと音出しをしたかったんですが、それもままならず、お客さんもどんどん入ってきて、あっという間に開演時間をすぎてしまいました。
心の余裕がまったくないまま、スタート。私にはとても珍しいことです。自分のニーズを大切にしないとこういう目にあいます。それはお客さんに対しても申し訳ないことです。
が、野々宮はいつものように軽快に読みはじめたので、私は半分も集中できていなかったんですが、お客さんは朗読に集中してくれているようでした。

もうひとつ、私には集中できない原因がありました。
それは〈槐多〉のダクトの音でした。空調も換気扇も切ってもらったんですが、ホール全体の空調の音がダクトからどうしても聞こえてきて、それがかなり気になったのです。後半は「沈黙の朗読」のシリーズとして構成したテキストでしたが、静穏な環境とはいえなかったことが気になりました。
とはいえ、こういう環境的な制約はよくあることです。そもそもピアノがないということも、私には大きな制約です。こういった逆風にどのように対処していくのか、今後の課題ですね。

後半は「沈黙の朗読」シリーズのひとつと自分では考えている「金色と紫色との循環せる眼」という、槐多のテキストを構成し、私のオリジナルテキストも混ぜた作品です。
後半はだいぶ私も集中できるようになってきていて、しかし音響感覚はまったく不安で、ダクトの音も気になって完全な集中というわけにはいかなかったんですが、最後はお客さんとなにかを共有できた感覚がありました。
おいでいただいた皆さんには心から感謝します。

「沈黙の朗読」の後はいつもそうなるんですが、なんだか呆然としてだれも言葉も出ないような、脳みその言語領域ではなくもっと深いところ、身体につながっているところでなにかがうごめいているような感覚になったんじゃないかと思います。
しかし、何分後かには皆さんも言語領域にもどってきて、楽しいおしゃべり。
開演時には戻ってきた早川さんも「よかった」といってくれ、たちまち第2回の「槐多朗読」が決まりました。
2012年2月20日、なんと村山槐多の命日だというその日にやります。今回のようなことがありますので、みなさん、どうぞ予約はお早めにお願いします。18名限定です。
次回は私も余裕をもって準備して、マインドフルに臨みたいと思います。どうぞお楽しみに。
(水城ゆう)

現代朗読協会が新宿ピットインに登場した日

少し前のことになります。8月30日、火曜日。
以前から告知していたように、フリージャズピアノの第一人者である板倉克行さんのライブに、げろきょがゲスト出演してきました。
会場は日本のジャズシーンのメッカといっても過言ではない、新宿ピットイン。
私も何度か行ったことがあるはずなんですが、30日はまったく新鮮な気持ちで行ったせいか、まるで初めて来たライブハウスのように感じました。壁にはマイルス・デイビスやコルトレーンやエルビス・ジョーンズの写真パネルが、サイン入り(!)で貼られています。すごーい。

出演者は板倉さんのほかに、ベースふたり、タップダンサーひとり、サックスひとり、フルートひとり、ヴォイスひとり、という変則。
そこへ朗読がふたり、野々宮卯妙と照井数男。
私は当初、小型シンセを持っていこうと思っていたのだが、小型とはいえけっこう機材が重いので、簡易キーボードに持ちなおそうとして、さらに考え直した。こんなちゃちな機材で勝負できるわけがない。どうせちゃちなものを使うなら、身体で勝負できるものにしよう。
というわけで、ピアニカ一本ぶらさげていくことした。

7時半、開場。お客さんがパラパラと入ってくる。でもがら空き。そして半分くらいはげろきょ関係者。みんなありがと〜。
しかし、始まってみてわかったのだが、これだけのすんごいスリリングなセッションを、これだけの数の人しか目撃できなかったなんて、なんて贅沢というかもったいないというか。ま、しかし、商業システムや大衆はこれだけ鋭くとんがった先端表現を、もはや必要としていないんだろうな、という実感。
でも、私は必要としている。必要としている人が、少ないけれどいる。そしてここから次の時代が始まる。

セッションは板倉さんが出演者を次々と指名する形で、
「まるで学校みたいだな」
と、板倉さんも笑っていたが、まったくなにも決めごとのないフリーセッションが、次々と展開していく。
板倉さんが私にピアノをゆずってくれ、2曲、セッションに参加できた。そして、最後はピアニカで参戦。これが意外にも好評で、板倉さんも大変おもしろがってくれて、よかった。私も楽しかった。
そして野々宮はもちろん、照井数男もがんばってくれ、われわれげろきょが日本の第一線のフリーミュージシャンと張り合って一歩もひけを取らないパフォーマンスを展開できることが照明される現場を、私は目撃していた。
(水城・筆)

現代朗読協会が新宿ピットインに登場した日

少し前のことになります。8月30日、火曜日。
以前から告知していたように、フリージャズピアノの第一人者である板倉克行さんのライブに、げろきょがゲスト出演してきました。
会場は日本のジャズシーンのメッカといっても過言ではない、新宿ピットイン。
私も何度か行ったことがあるはずなんですが、30日はまったく新鮮な気持ちで行ったせいか、まるで初めて来たライブハウスのように感じました。壁にはマイルス・デイビスやコルトレーンやエルビス・ジョーンズの写真パネルが、サイン入り(!)で貼られています。すごーい。

出演者は板倉さんのほかに、ベースふたり、タップダンサーひとり、サックスひとり、フルートひとり、ヴォイスひとり、という変則。
そこへ朗読がふたり、野々宮卯妙と照井数男。
私は当初、小型シンセを持っていこうと思っていたのだが、小型とはいえけっこう機材が重いので、簡易キーボードに持ちなおそうとして、さらに考え直した。こんなちゃちな機材で勝負できるわけがない。どうせちゃちなものを使うなら、身体で勝負できるものにしよう。
というわけで、ピアニカ一本ぶらさげていくことした。

7時半、開場。お客さんがパラパラと入ってくる。でもがら空き。そして半分くらいはげろきょ関係者。みんなありがと〜。
しかし、始まってみてわかったのだが、これだけのすんごいスリリングなセッションを、これだけの数の人しか目撃できなかったなんて、なんて贅沢というかもったいないというか。ま、しかし、商業システムや大衆はこれだけ鋭くとんがった先端表現を、もはや必要としていないんだろうな、という実感。
でも、私は必要としている。必要としている人が、少ないけれどいる。そしてここから次の時代が始まる。

セッションは板倉さんが出演者を次々と指名する形で、
「まるで学校みたいだな」
と、板倉さんも笑っていたが、まったくなにも決めごとのないフリーセッションが、次々と展開していく。
板倉さんが私にピアノをゆずってくれ、2曲、セッションに参加できた。そして、最後はピアニカで参戦。これが意外にも好評で、板倉さんも大変おもしろがってくれて、よかった。私も楽しかった。
そして野々宮はもちろん、照井数男もがんばってくれ、われわれげろきょが日本の第一線のフリーミュージシャンと張り合って一歩もひけを取らないパフォーマンスを展開できることが照明される現場を、私は目撃していた。
(水城・筆)

「KOTOHOGU! 〜言祝ぐ東北」で言祝いできた

(レポート by 水城ゆう)
昨夜は武蔵小山のライブカフェ〈アゲイン〉での朗読ライブ「言祝ぐ東北」に行ってきた。
主催はげろきょの仲間・唐ひづる。ゲスト朗読で野々宮卯妙も出演。私は少しだけピアノ演奏で助っ人。
しゃちほこばった堅苦しいライブではなく、お客さんに飲んだり食べたりしてもらいながら、トーク混じりの気楽なライブで、大変楽しかった。お客さんのノリもよかった。
とはいえ、しっかりとメッセージも込められていて、最後はいろいろな思いが伝わったのではないだろうか。

それにしても唐ひづるの軽妙なトークと自由自在な朗読は、本当にすばらしかった。東北弁の朗読も楽しかった。それにどちらかというと重厚な野々宮がからみ、化学反応を起こしていた。私のピアノなどまったく邪魔なくらいで、本当によい朗読は余計な音は不要なのだと実感した。
おふたりさん、お疲れさまでした。

ライブパーティー追記

昨日書いたレポートは水城の自分用セットリストを見ながら書いてたので、演目に抜けがあった。
8演目に加えて、「7.」と「8.」の間にもう一演目あったのだった。
正しくは以下のとおり。

7. 水城ゆう「初霜」
 しまだなおこ
8. 水城ゆう「青い空、白い雲」
 まぁや&瀬尾明日香
9. 夏目漱石「蛇」
 野々宮卯妙

「青い空、白い雲」はゼミ生でライブワークショップにも参加していたまぁやと瀬尾明日香によるふたり読みで、ライブ直前になって急遽やることが決まったもの。
分かち読みや同時読みで構成されたものだが、あまりガチガチには決めごとはなかったとのこと。コミュニケーションのなかでストーリーが展開していくのが気持ちよかった。部分的に「問いかけと返答」のような読み方の工夫もあった。

ライブパーティー追記

昨日書いたレポートは水城の自分用セットリストを見ながら書いてたので、演目に抜けがあった。
8演目に加えて、「7.」と「8.」の間にもう一演目あったのだった。
正しくは以下のとおり。

7. 水城ゆう「初霜」
 しまだなおこ
8. 水城ゆう「青い空、白い雲」
 まぁや&瀬尾明日香
9. 夏目漱石「蛇」
 野々宮卯妙

「青い空、白い雲」はゼミ生でライブワークショップにも参加していたまぁやと瀬尾明日香によるふたり読みで、ライブ直前になって急遽やることが決まったもの。
分かち読みや同時読みで構成されたものだが、あまりガチガチには決めごとはなかったとのこと。コミュニケーションのなかでストーリーが展開していくのが気持ちよかった。部分的に「問いかけと返答」のような読み方の工夫もあった。

感動の羽根木朗読ライブパーティー

昨日7月9日(土)の午後3時から、羽根木の家で朗読ライブパーティーをおこなった。
「朗読はライブだ!」ワークショップ参加の4名を中心に、ほかにもゼミ生など何人かに参加してもらって、お座敷ライブを開催した。

まずびっくりしたのは、3時から始まって、終わったのは5時だった。たっぷり2時間、やっていた。
そして、暑かった。気温は35度を超えていた。羽根木の家にはエアコンなどもちろんない。

そんな条件のなか、お客さんと出演者が一体となり、2時間という時間をまったく感じないほどお互いに集中して、数々の演目が上演された。
終わってからも、さまざまな感想をいただいた。
音楽ライブや芝居をたくさん観に行っている人たちから、ダントツにおもしろかった、すばらしかったという感想をいただいた。今日になってもまだ感動が続いている、という話をゼミ生からも聞いた。
私はずっとピアノに張りついて、いわば出ずっぱりの状態だったのだが、まったく苦にならなかった。楽しくてしかたがなかった。

昨日の演目を書いておく。

1. 夏目漱石「夢十夜」より「第三夜」の群読パフォーマンス
山田正美、まぁや、瀬尾明日香、玻瑠あつこ
2. 菊池寛「形」
瀬尾明日香
3. 宮澤賢治「いちょうの実」
山田みぞれ
4. 水城ゆう「階段」
玻瑠あつこ
5. 怪談「皿屋敷」
まぁや
6. 太宰治「女生徒」より
嶋村美希子、照井数男
7. 水城ゆう「初霜」
しまだなおこ
8. 夏目漱石「蛇」
野々宮卯妙

「1.」は大変息の合った、すぐれたパフォーマンスだった。私からも再演希望。
「2.」はテキストを読んでもらえばわかると思うが、人の「形」が相手にどのような影響を与えるのかを書いた時代もの。それを瀬尾ちゃんがファンシーなワンピースを着て読み、途中でそれを脱いでお客さんに「形」とは何か、という命題を付きつける斬新な二重構造のパフォーマンスで表現。
「3.」は今回のワークショップが初朗読のみぞれさんが、なにも飾らない、なにもたくらまない、無垢な朗読で全員を魅了した。
「4.」は大阪弁をところどころで交えたり、別の出演者をからませたり、小道具にクイックルワイパーを使ったりと、アイディアいっぱい、動きいっぱいの「楽しい怪談」となった。
「5.」は定番の古い怪談を、なんとゴスロリファッションで決めたまぁやが、これもまぁやからのリクエストで音楽もゴシック調のオルガンサウンドで付けて、日本ではなく西洋風のテイストで上演して、斬新きわまりなかった。
「6.」は若手ふたりによる、もはやユニットとして(くやしいけれど)息の合った観のあるパフォーマンスを、照井くんによれば「いいふうにでたらめにやれた」という目の離せないスリリングに見せてくれた。
「7.」は14歳の少女の思春期の複雑な心情を描いた作品だが、中学生の娘さんの制服をこっそり借りだしてきて着込んだなおさんが、動きまわるほどに時間をさかのぼって14歳にタイムスリップし、思春期の心情を吐露する朗読を痛々しく表現してくれたのがすばらしかった。
「8.」はバロック朗読第一人者が重厚に歪んだ朗読をスタートしたと思いきや、途中から自由自在にピアノとのガチンコセッションを繰り広げ、その実力を存分に見てつけてくれた最高クオリティのパフォーマンスであった。

残念ながら、ビデオカメラの不調で、その記録は残っていない。
来場いただいた方の目には焼きついていることだろう。ライブとはそういうものだ。
これらの演目は、もう少し観客にとってよい条件で再演できないか、と思っている。現時点で、私と出演のみんなとこの日の観客による、最高傑作だからだ。
(演出:水城ゆう)

夏うふ&読んで歌うコンサート@さいたまが終了

昨日、埼玉新都心にある埼玉県障害者交流センターのホールで、「読んで歌うコンサート」をおこなってきました。
現代朗読協会のゼミ生でもある「浦和区市民活動ネットワーク公認団体・アーツ&ケア・コミュニティ」の日榮さんの主催で、私と伊藤さやかによる音楽ユニットOeufs(うふ)と、現代朗読協会の野々宮卯妙、照井数男とで、歌と朗読のコンサートをおこないました。

30人くらいの方がいらしてくれて、皆さん、熱心に最後までお付き合いくださいました。
途中、宮澤賢治の「双子の星」の朗読パフォーマンスもおこなったんですが、20分以上のかなり長い演目にも関わらず、最後までしっかりと聴いていただきました。
小さなお子さん連れのお母さんがたもいらっしゃいました。
終わってから、抱きつかんばかりにして握手を求めてこられたお年寄りもいらして、私も大変楽しかったです。

東四つ木デイサービスセンターで音読ワーク

葛飾区の東四つ木デイサービスセンターに、出張音読ワークに行ってきた。
ゼミ生の朱鷺さんが『音読・群読エチュード』を買ってくれて、それをデイサービスセンターの所長さんに見せたところ、「これはおもしろい」といっていただき、所長さんも一冊買ってくれた。それがきっかけで、実際に私が行って、皆さんと音読ワークをやることになったのだ。

行ってみると、とても活気のあるにぎやかなセンターであることにまず驚いた。
朱鷺さんもおられた。お会いするのはひさしぶりである。といっても、いつもSkypeではお声を聞いているのだが。

さっそくワークをやる。
お年寄りの方が4、50人くらいだろうか、それぞれテーブルを囲んでくつろいでおられた。
近刊の『音読・群読エチュード』からいくつかのエチュードを選んで、職員の方もいっしょにやる。私のほかに、現代朗読協会の野々宮がアシスタントで来ている。
まずは宮沢賢治の「星めぐりの歌」。最初はいっしょに声を出して詩を読み、そのあと「質問と返答」のエチュード。
こちらでは音読ワークはあまりされたことがないということで、その時点ではまず少しとまどわれていた方もいたようだが、リズム読みのエチュードになると皆さん手拍子でノリノリになってきた。リズム読みのエチュードで使ったテキストは、ロバート・ブラウニングの「春の朝」という詩を上田敏が訳したもの。
最初は手拍子で、そのあと私がピアノを弾いて、全員でひとつの音楽を奏でるように音読をしてもらった。

やっている途中から、皆さんの表情がどんどんイキイキしてきて、眼も輝いて、あちこちから声があがってくるのが、私も楽しかった。
最後は皆さんもよく知っている唱歌「早春賦」や「花」「さくらさくら」を一緒に歌った。
所長の森さんや職員の方もとても喜んでくれて、行ったかいがあった。私もとても楽しく、勉強になった。森さんからは「お年寄り向けの本も書いてほしい」といわれた。その際にはサポートしてくれるそうだ。ありがたい。ちゃんと考えてみることにしよう。

この音読ワークに興味のある方は、気軽に声をかけていただけたらと思う。
子どもだけでなく、お年寄りにもとても有効であることがわかったし、現代朗読協会でやっているように大人にも大変役に立つエチュードなのだ。
(演出・水城ゆう)

公演写真「朗読とマジックのあるカフェ」

先日、10月24日におこなわれた「朗読とマジックのあるカフェ」の公演の模様を、写真で紹介します。
写真はすべて、名古屋ウェルバ・アクトゥスのディレクターをやってくれているファンキーが撮ってくれたものです。わざわざ名古屋から来てくれました。

(1)菊地裕貴と照井数男

(2)照井数男 いよっ、男前!

(3)水城ゆう ピアノソロのときの。いよっ、男前! 後姿だけど。

(4)左から菊地裕貴、唐ひづる、玻瑠あつこ、野々宮卯妙 華やかな絵ですな。

(5)菊地裕貴、唐ひづる、玻瑠あつこ

(6)マジシャン・畷案山子 本に火がつこうとしているところ。

(7)照井数男と女性陣 楽しそうな絵ですな。

(8)おなじく リレー朗読の最中。

(9)おなじく これも女性陣はリレー朗読中でしょうか。

(10)菊地裕貴と唐ひづる

(11)菊地裕貴 出演者のなかでは一番若い。かわいいね。

(12)玻瑠あつこと野々宮卯妙

(13)唐ひづる 背後霊は照井数男

(14)玻瑠あつこ 背後霊は照井数男

(15)終演まぢか

(16)終演後の歓談タイム

(17)集合 出演者とげろきょメンバー。みんないい顔してる。

(18)舞台袖の桟敷席 なに楽しそうにはしゃいでるの? ロボットが見てる。

「朗読とマジックのあるカフェ」ライブレポート

2010年10月24日。あ、息子の誕生日だった。
10時すぎ、羽根木の家へ。けっこう寒い。雨が降りそうだ。丸さんが車ですでに来て、駐車場で待っていてくれた。さっそくいっしょに家の中へ。
ちょっとお茶してから、荷物を積みこみ(といっても今回はたいした荷物はなし)、11時に下北沢〈Com.Cafe 音倉〉へ。関係者は現地集合することになっていて、すでに出演者はみんな来ていた。

まずは照明のセッティング。
今回、照明はまぁやがやってくれることになっていて、その打ち合わせを最初にやる。そのまま照明合わせを兼ねて軽くリハーサル。
途中からマジックの畷さんが来たが、マジックの仕込みがあるので、そのままリハーサルを進行。ただし、照明や立ち位置などは相談しながら。

リハーサルはあっという間に終わる。
あとはのんびり。昼食を食べたり、休んだり。
名古屋のファンキーから、いまから行くという連絡が入る。びっくり。柊麗子といっしょに東京に来ているらしい。うれしい。

14時、開場。
開演1時間前に開場というゆったりしたスケジュールだが、これは店の意向を受けて。開演までゆっくり飲食を楽しんでもらおうということで、ライブカフェならでは。
今回、集客に苦労したのだが、昼の部はそれでもそこそこ来てくれる方が集まった。ほとんどが顔見知りや、出演者の知り合いばかりなので、会場はなごやかな雰囲気に。これはこれでいい感じ。

15時、開演。
今回、当日パンフレットを作らなかったので、この演目の経緯や出演者について私が最初に少ししゃべる。こういうことは珍しい。
そのあと、照明を落とし、演目がスタート。
この内容は、近く、抜粋映像をYouTubeなどで見られるようにする予定。ビデオカメラを丸さんが担当してくれた。あと、iPod touch でもビデオ録画してみた。

終わってから、皆さんと歓談。
いつもいわれることだが、どこまで即興でどこまで取り決めがあるのか、という話になる。多少のきっかけはあるが、基本的に読みはすべて即興。このように読まなければならない、という演出指示はいっさいない。ある程度、こういう読み方がおもしろいのでそれでいこう、という稽古でのイメージ作りはあるが、それも作り込まれたものではなく、その場の雰囲気や出演者同士のコミュニケーションのなかで自在に変化していく。
音楽はもちろん、完全即興である。
というと、たいていの人がびっくりするのだが、むしろ演出的取りきめであんな複雑なことはできないと思うのだが。もしそれをやるとしたら、何ヶ月もみっちり、綿密な段取り稽古をしなければならないだろう。ってなことを、演劇の人たちは普通にやっているのかもしれないが。
取り決めを完全にこなせることを練習するのではなく、どのようにでもやれるように、どんなことにでも対応できるように稽古するのが、現代朗読の方法だ。

昼の部のお客さんが帰り、我々は食事。
毎回、音倉では、まかない飯が出る。これがありがたい。そしておいしいのだ。今回はタイカレーだった。ありがたくいただく。
スケジュールがゆったりしているのはいいが、待ち時間が長い。居眠りしたり、のんびりと夜の部の開場を待つ。

18時、夜の部、開場。
お客さんが少ないので、最初、だれも来なくて、このままだれも来ないのではないかという錯覚に陥るほどだった。私も少し居眠りしてしまった。
夜の部のお客さんがようやく何組かやってきて、にわかににぎやかになった。身内ばかり、というか、よくいえばアットホームな雰囲気のなか、19時、夜の部開演。
昼の部より笑い声がたくさん聞こえたり、マジックとお客さんの交流が楽しかったりと、また違った雰囲気になった。

終わってから歓談。
これもいつもいわれることだが、これだけおもしろい内容なのに、もっとたくさんの人に見てもらいたいね、といわれる。毎回いわれる。つまり、宣伝下手、集客力のなさ、ゆえのことだ。
今後のライブや公演の開催については、根本的な部分から見直したいと思った。つまり、我々はなんのためにライブや公演をやるのか、という本質的な問いからの再スタートだ。

いずれにしても、昨日音倉においでいただいたすべての皆さんには、深く感謝いたします。ほかでは得ることのできない貴重な体験をさせていただきました。皆さんもいくらかでもその体験を共有していただけたら幸いでした。
(演出:水城ゆう)

朗読とマジックのあるカフェ

当公演は終了しました。
ご来場ありがとうございました!

2010年10月24日(日)昼の部(15時)/夜の部(19時)@下北沢

「朗読とマジックのあるカフェ」

下北沢のライブカフェ、Com.Cafe音倉にて、芥川龍之介「魔術」を現代朗読の味つけで
「食卓」バージョンとはまったく違う「魔術」
現代朗読ならではの、その場その時を共有する全員での共感をめざして……
7月版とはまったく異なる演出で、妖かし感200%UP!
さらに広い空間で、ロードクとマジックが重なりあい絡みあい、地下に七色の虹を織りだします……

現代朗読協会にしかできない、即興演奏に呼応する自由な発想でのセッション的パフォーマンス!

オーガニック料理&スイーツをいただきながら、くつろいで素敵な時間をお過ごしください
〈日時〉10月24日(日) 昼の部 15時開演/夜の部 19時開演 ※開場は1時間前※
〈会場〉下北沢 Com.Cafe音倉 (京王井の頭線・小田急線下北沢駅徒歩2分)
前売 3,000円 /当日 3,500円 ※1ドリンク付き※
〈出演〉畷案山子(マジシャン)+唐ひづる/玻瑠あつ子/菊地裕貴/照井数男/野々宮卯妙(以上ロードク)
〈演出・音楽〉水城ゆう

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 2010年7月17日(土)夜7時@東松原
ライブショー
「朗読とマジックのある食卓」
東松原のレストラン、スピリット・ブラザーズで、マジックとお料理とのコラボレーションライブ
 ドリンクと美しい小皿料理がついて、なんと3,000円
美味しい食事とお酒を楽しみながら、マジックと朗読、そして音楽が混然一体となった楽しい空間に酔ってください。
2010年7月17日(土)  開場18:30/開演19:00
(京王井の頭線東松原駅徒歩30秒)
料金 3,000円 (1ドリンク&1プレートディッシュ付き)
〈出演〉
畷 案山子(奇術師)
野々宮卯妙/唐ひづる/玻瑠あつこ/シバシムツキ/城崎つきみ/照井数男(以上現代朗読協会)
水城ゆう(音楽)

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「朗読とマジックのある食卓」満員御礼!!