先月6月26日夜にキッド・アイラック・アート・ホールのギャラリースペースで開催した「沈黙[朗読X音楽]瞑想」の来場者からいただいた感想を紹介します。
みなさん、ありがとうございました。
◎前回に引き続き体験してみました。この度は二階で寛ごうと、迷わず階段を上がりました。床に直に座り、暗転後は頭を手すり側にして、仰向けでヨガの死体のポーズになってみました。
意識した呼吸をしてみたり、からだの中に音を響かせてみたり、指先から何かが入ってくるイメージを作ってみたら、どんどんピアノの音が浸入してくるようでした。
両腕だけを気ままに蠢かしていたら、とても心地よかったです。
(中略)
水城さんのピアノ、テキスト、卯妙さんの声と気配が積み重なっていき、しだいに声が無くなり、音が濁流みたいにやってきていなくなっていく頃、「ああ、どうしようもない物事をただ受け入れる勇気があるんだな」と感じました。
◎今日は、出来るだけ動いてみました。朗読もピアノも身体にじんわりと染み込んで来ました。色々な姿勢で受け取る音の感じが中々面白かったです。
真っ暗な中でのピアノの演奏は、まず草原が浮かび、次に草藪から飛び立つ雲雀が浮かび、1羽だった雲雀がどんどん増えて行き、ある程度の高さをしばらく飛んでいたのが、凄い勢いで高く高く太陽に向かって飛んでいました。
卯妙さんの朗読は、ピアノにかき消されたと思ったら逆に朗読する声がピアノの音を逆にかき消したり、凄かったです。
◎卯妙さんの声に魅せられた。水城さんのピアノとの絶妙なコンビネーション。沈黙と朗読は共存できないと思ったが、見事に融合していた。刺激的な空間だった。
◎雨音が遠慮しないからライブ
コツンとヒールの踵が
鳴ってしまったからライブ
ドアが開いて闇が壊れるからライブ
邪魔されても邪魔にしないのがライブ
赦されることが解放になるからライブ
たとえ怒ってもきっと面白いからライブ
……と思ったのでした。
朗読とピアノと闇を初めて体験しました。
◎一種の緊迫感と不思議な静けさが混ざり合った朗読と、それに寄り添うようなピアノの音が創り出した空間の中に放り込まれてあっという間に過ぎさった1時間でした。中二階という多層的な空間を持つ会場の中で、万里さんのあるときは地響きのような、あるときは木霊の囁きのような声と水城さんの不協和音が奏でる空間との共鳴が織りなす命の一コマ。ストーリーを追うのではなく、そのコラボレーションを体験しつつも自分のストーリーとが自然にオーバーラップするという濃い時間が過ごせました。
最後に暗転となったとき、小さな時分、弟が急病のため母が私1人を置いて病院へ駆け込んだ時のことが蘇りました。ひとりぼっちで暗闇に取り残された孤独と不安…人が最奥に隠し持っている共通のもの。気が付くと頭上に、一点の灯りが小さな星のように灯っていました。唯一の希望のように。そうしたら、自分が、または同じ空間にいるであろう全ての観客と演者が、ともに呼吸しているのを感じました。